昨日、春の穏やかな天気に誘われて、丸の内2丁目の桜通り沿いの高層ビル解体現場を見てきました。
このビルは1973年に名古屋の名門繊維商社のタキヒョーが新築したビルで、当時は名古屋で最も高いビルでした。
最新のオフィスビルに比べてエレベータが不足、アスベストの除去費用を考えて建て替えることになったそうですが、まさか本当に解体するとは思いませんでした。
日本ではこんな大規模な高層ビルが解体されることは実際にはほとんどないため、非常にめずらしいことで、名古屋ではもちろん初めて。
建物の専門家である一級建築士の関心は、「構造的視点から見た高層ビルの解体」であり、実際に現場見学会も行われたようです。
しかし、鑑定士である筆者たちの関心は「この解体費用がいくらなのか」です。
同じ1973年に新築され、2005年に解体された岡崎市の「西三河総合ビル」(名鉄岡崎ホテル・旧名鉄サンリバー)が12階建・約9200坪でざっと10億と巷では言われました。そのときの解体費用の単価はざっと坪11万円、ここから推定すると今回のビルの解体費用の総額は15億~20億くらいでしょうか?(実際の情報はまったく存じません。)
ご存知の方がいたらぜひ愛知県不動産鑑定士協会に情報提供ください。
鑑定士は「取引事例」や「賃貸事例」はデータがたくさんあるのですが、解体事例や土壌汚染除去事例、アスベスト除去事例、ガソリンスタンド地下タンク除去事例などのデータがないのです。
名称 名古屋東京海上日動ビル
場所 中区丸の内2丁目20-19(住居表示)
事業主 東京海上日動火災保険
施工 竹中工務店(解体工事)
概要 地上25F 地下3F 高さ86.8m 延床46,784.3㎡ 鉄骨造(4FまではSRC)
完成 1973年9月
解体 2010年末に解体完了(予定)